前回は血液成分がサラサラになるアスピリンのハナシをご紹介しました。今回は血管が変化することで、血液がサラサラになるお話をします。血圧は肘寄りの上腕で測定することになっており、その場合は肘の動脈の血管内圧を測定しています。血管は大きく分けて大動脈の様に血管の太さがあまり変化しない大型血管、脈の太さをコントロールする平滑筋がついている小型血管、平滑筋のない最末梢の毛細血管があります。厳密には毛細血管の径をコントロールするシステムはあるのですが、高血圧に関係する血管は主に平滑筋のついてる筋型動脈と言われる血管です。この血管の平滑筋が過剰に収縮すると、その心臓側の血管の一部である肘の動脈の血管内圧が上昇し、高血圧になります。それと同時に筋型動脈の収縮により、末梢側の血流量や流速が減ってしまうため、毛細血管の流れが悪くなります。これが毛細血管の血流が悪くなる場合の一例です。したがって、この筋型動脈に効果を発揮する血圧の薬を服用すれば、毛細血管の血流が非常に良くなります。高血圧の薬はいくつかあるのですが、これらのうち高血圧の薬を飲んでいる方の毛細血管を観察した場合に、一番血液の流れが良くなっているのは、カルシウム拮抗剤という薬を飲んでいる方々でした。