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安中散(あんちゅうさん)とは、胃痛、胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐き気などを伴う神経性胃炎や慢性胃炎、胃アトニーなどに用いられる漢方薬で、体力が低下しがちな「やせ型」で、冷えやストレスが原因の胃腸の不調に適しています。

胃を温め、胃酸を調整し、胃の働きを整える生薬(桂皮、延胡索、牡蛎、甘草など)で構成されており、市販の漢方胃腸薬の多くに配合されています。 

主な特徴と効果体質: やせ型で体力が低下し、胃腸が弱い「虚証」の人。

症状: 胃が冷えて痛む、ストレスで胃がもたれる、胸やけがする、げっぷが出る、食欲がない、吐き気があるなど。

作用: 胃を温め、胃酸の過剰な分泌を抑え、胃の運動機能を改善する。

由来: 「中(胃腸)」の症状を「安(安らかに)」にするという意味が名前の由来。

適用疾患: 機能性ディスペプシア、胃アトニー、ストレス性胃炎など。 

使われる生薬

桂皮(ケイヒ): 胃を温め、痛みを和らげる。

延胡索(エンゴサク): 鎮痛作用がある。

牡蛎(ボレイ): 胃酸を抑え、精神を安定させる。

茴香(ウイキョウ): 胃の働きを助け、痛みを抑える。

甘草(カンゾウ): 胃の調子を整え、諸薬を和らげる。 

服用方法・注意点服用タイミング: 食前または食間に水や湯で服用します。

安中散の副作用は、発疹・発赤・かゆみなどの皮膚症状が比較的多いです。

重大なものとして甘草の影響による偽アルドステロン症(むくみ、血圧上昇、低カリウム血症)やミオパチー(脱力感、痙攣)が起こることがあり、服用中止や医師・薬剤師への相談が必要です。

体質に合わないと胃の不快感や食欲不振が悪化することもあり、体力が充実している人には不向きです。

主な副作用皮膚症状: 発疹、発赤、かゆみなど(過敏症)。

消化器症状: まれに胃もたれ、吐き気、食欲不振が悪化する場合がある。

重大な副作用

偽アルドステロン症: むくみ(浮腫)、体重増加、血圧上昇、低カリウム血症(脱力感、四肢痙攣)など。

ミオパチー: 脱力感、四肢痙攣、四肢麻痺など。

服用上の注意点

体質: 体力が充実している人には適さない場合がある。

併用: カンゾウを含む他の漢方薬との併用で副作用が起こりやすくなるため、注意が必要。

長期・大量服用: カンゾウの長期・大量服用は偽アルドステロン症のリスクを高める。

妊婦・授乳婦・小児: 安全性が確立されていないため、医師・薬剤師と相談が必要です。

症状が出たら発疹やかゆみなどの症状が出たら服用を中止し、偽アルドステロン症やミオパチーの初期症状(むくみ、脱力感など)が見られた場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。