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乙字湯（おつじとう）とは、便秘傾向で便が硬く、いぼ痔・切れ痔・軽度の脱肛がある方に適した、日本発祥の漢方薬で、血行を改善して腫れや痛みを和らげ、穏やかな排便作用で便通を整える効果があります。
トウキ、サイコ、オウゴン、カンゾウ、ショウマ、ダイオウの6種類の生薬から成り、下半身の熱を取り除き、肛門周辺のうっ血（瘀血）を改善します。
主な特徴と効果
痔の症状改善: いぼ痔（痔核）、切れ痔（裂肛）、軽度の脱肛による痛み、腫れ、出血を和らげます。
便通の改善: 便を柔らかくして排便を促し、排便時の負担を軽減します。
血行促進: 肛門周辺の血流を改善し、「瘀血（おけつ：血の滞り）」を解消します。
日本で発展した処方: 江戸時代に日本の医師・原南陽が創製した、日本独自の漢方処方です。
どんな人に向いているか
便秘がちで便が硬い方。
排便時に痛みや出血がある方。
体力中等度以上で、痔の症状が激しくない方。
冷え性やストレスで痔が悪化しやすい方（女性にも）。
構成生薬（代表的なもの）
トウキ（当帰）、サイコ（柴胡）、オウゴン（黄芩）、カンゾウ（甘草）、ショウマ（升麻）、ダイオウ（大黄）。
服用方法
通常、食前または食間に水またはお湯で服用します。
年齢や症状に合わせて用量が調整されるため、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
注意点
下痢や軟便のある方、血圧や血清カリウム値に注意が必要な方（カンゾウ含有のため）は服用を避ける場合があります。
乙字湯は、痔の根本原因（便秘や血行不良）にアプローチし、体質改善も目指せる漢方薬と言えます。
主な効果・効能
痔（いぼ痔・きれ痔・脱肛）: 便秘による肛門への負担や、肛門周辺のうっ血（血流の滞り）を改善します。
便秘: 穏やかな排便作用で便通を整え、硬い便による排便時の痛みを和らげます。
特徴と作用機序
体力のある方向け: 元々は体力のある男性の痔のために考案された処方です。
熱を冷まし血流を改善: 漢方医学では、下半身の熱が便秘や痔の原因と考えます。乙字湯は、この熱を冷まし、血（「血（けつ）」）の巡りを良くすることで、症状を緩和します。
構成生薬: トウキ、サイコ、オウゴン、カンゾウ、ショウマ、ダイオウなどが含まれています。
服用上の注意点
体質に合わせる: 下痢や軟便気味の方には不向きな場合があります。
妊娠中・授乳中: 医師・薬剤師に相談が必要です（特にダイオウやカンゾウの成分による影響）。
長期服用・大量服用: むくみや血圧上昇（偽性アルドステロン症）、間質性肺炎などの副作用に注意し、医師・薬剤師に相談しましょう。
効果: 服用後1ヶ月程度で効果が期待されますが、5～6日～1ヶ月で改善が見られない場合は中止し、専門家に相談してください。
