少々細かいハナシになりますが、虚証について少し書いてみます。
実は私は人から見ると顔のアゴが張っており、声もでかいので実証に見えるのですが、腎虚という虚証です。
これは20歳頃から指摘されていて、母がストレスで腎不全になったこととも関係しているのかもしれません。
従って若い頃より腎虚に対する漢方薬を試しているのですが中々ピタリとハマった効果は得られませんでした。
何か難しい事情があるようです。
今回はいくつかの虚証についての漢方処方についてご紹介します。
虚証といっても「気」「血」「水」の虚証と各経絡の虚証があります。
気虚(気が不足している状態):
六君子湯は胃腸が弱く食欲不振、疲れやすい、吐き気などの症状に用いられます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は食欲不振、疲労倦怠感、夏バテなどに用いられます。
清暑益気湯(せいしょえっきとう)は食欲不振、夏バテ、体力が低下している状態に用いられます。
血虚(血が不足している状態):
四物湯(しもつとう)は血行を良くし、貧血、月経不順などに用いられます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は冷え性、貧血、月経不順、むくみなどに用いられます。
水虚というのは水分が少ない状態を指し、脱水と考えられますので水分摂取が一番のクスリです。
次に経絡における虚証の漢方処方をご紹介します。
腎虚(腎の機能が低下している状態)の時は
八味地黄丸(はちみじおうがん)が加齢による体力低下、頻尿、腰痛などに用いられます。
六味地黄丸(ろくみじおうがん)は腎虚による様々な症状に用いられます。
八味地黄丸から体を温める作用のある附子と桂枝を抜いたものであり、火照りなどのある腎虚の方にお勧めです。
心虚(心気が不足している状態):
帰脾湯(きひとう)は不眠、動悸、不安感、食欲不振などに用いられます。
その他の虚証に対する漢方として
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)は神経過敏、不眠、動悸などに用いられます。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)は冷え、貧血、不眠などに用いられます。
香蘇散(こうそさん)は冷え、風邪のひき始め、胃腸虚弱などに用いられます。