有害ミネラルのハナシ 鉛
鉛とは、原子番号82番の元素記号Pbで表される青みがかった灰色の重金属です。
非常に柔らかく加工しやすいため、古くから電池、塗料、はんだ、水道管、放射線遮蔽材など、さまざまな用途に利用されてきました。
しかし、鉛は人体に有害で、体内に蓄積すると頭痛や貧血、中枢神経への影響などを引き起こす毒物です。
特に子供の精神発達に悪影響を与えるため、現在はその使用が制限されています。
外観と性質は青みがかった灰色の金属で、柔らかく、展延性があるため薄く広げたり、線に引き伸ばしたりできます。
融点が低く、加工しやすいという利点があります。
耐食性に優れており、表面に不溶性の皮膜を形成するため、サビに強いです。
歴史的には古代のローマ時代には水道管として利用され、古代からさまざまな目的で使われてきました。
現代になると自動車や重機の電源になる鉛蓄電池として現在も鉛が主流です。
放射線を遮るため遮蔽材として病院のレントゲン室などで壁やエプロンなどに使用されています。
合金としてははんだなど、他の金属との合金の生成にも用いられ、はんだ、塗料、鉛ガラス、水道管、建築材料に使用されていました。
ただし体内への有害性から、近年は水道管や塗料、ガソリンの添加剤(有機鉛)などでの使用は制限・廃止されています。
体内に蓄積されると、骨に蓄積します。
子供は大人よりも鉛を吸収しやすく、特に成長期の子供への影響は強く、血液中の鉛濃度が高い場合、精神面の発達に影響を与えることが知られています。
さらに国際がん研究機関(IARC)によって、人に対して発がん性がある可能性がある(ランク2B)と評価されています。
健康被害の例をご紹介します。
消化器系::食欲不振、疝痛(せんつう)など。
神経系::神経障害、めまい、精神運動発達遅滞、イライラ、うつなど。
血液系::貧血。
腎臓::腎疾患。
生殖機能::生殖機能低下。
その他::免疫毒性、がんの可能性も示唆されています。
鉛の摂取経路
鉛は様々な経路で体内に摂取されます。
環境要因:土壌汚染、古い水道管、缶詰のコーティング、PVCプラスチックなど。
生活用品:一部の塗料、顔料、殺虫剤、古くはガソリンにも含まれていました。
鉛の対策として鉛への暴露を減らすためには、体内に取り込まないことが重要です。
水道水::古い鉛管が使用されている場合は注意が必要です。
食品::缶詰の内部コーティングなどにも含まれることがあるため注意しましょう。
環境::鉛による土壌汚染された場所を避けることも大切です。
