チメロサールとは、主に複数回接種用ワクチンのバイアル製剤を、開封後に細菌汚染から守る目的で添加される殺菌・防腐剤で、エチル水銀チオサリチル酸ナトリウムという有機水銀化合物です。

体内でエチル水銀とチオサリチル酸に分解され、このエチル水銀(有機水銀)の毒性が懸念されてきましたが、WHOや各国の規制当局はワクチンのベネフィットがリスクを上回ると評価しています。

つまり毒性はあっても効能の方が意味があるのでしかたないという扱いです。

それは反ワクチンを唱える人達の格好の批判の的になっているわけです。

現在では、多くのワクチンでチメロサールの使用が減量・除去されており、チメロサールを含まない「チメロサールフリー」のワクチンも流通しています。

チメロサールの役割

殺菌・防腐剤

液状ワクチンのバイアル(瓶)を開封した後、細菌が繁殖しないように汚染を防ぐ役割を果たします。

チメロサールの成分と毒性成分:

チオサリチル酸ナトリウムにエチル水銀が結合した有機水銀化合物です。

チメロサールの分解:

体内でエチル水銀とチオサリチル酸に分解されます。

懸念事項:

エチル水銀の神経毒性が懸念されており、かつては自閉症との関連性が指摘されましたが、その後の疫学研究では関連性は示されていません。

現在の状況と代替減量・除去の動き:

安全性への懸念から、世界的にワクチンのチメロサール減量・除去が進められています。

チメロサールフリーワクチン:

チメロサールを含まないワクチンの製造が進んでおり、小児や妊婦、健康志向の高い方などに選択肢が増えています。

ベネフィットとリスクの評価:

日本および欧米の規制当局は、ワクチンのベネフィットがチメロサールのリスクを上回ると評価しており、その使用方針を支持しています。