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本日は鉄のお話です。

生体のミネラルとしての鉄には、赤血球の材料となって全身に酸素を運ぶ、エネルギー産生に関わる、細胞の機能維持を助ける、肌や髪、爪の健康を保つなどの効果があります。

不足すると貧血、疲労感、集中力低下、肌荒れなどの症状が現れることがあります。

鉄ミネラルの主な効果として

①酸素の運搬

赤血球のヘモグロビンを構成し、肺から取り込んだ酸素を全身の組織に運びます。

②エネルギー産生

細胞内のミトコンドリアで酸素を使ってエネルギーを作り出す働きを助けます。

③細胞機能の維持

体のさまざまな機能に深く関わり、生命維持に欠かせないミネラルです。

④美容効果

肌や髪、爪の健康維持にも関連しており、不足するとダメージを与える可能性があります。

鉄ミネラルが不足すると現れる症状をご紹介しましょう

貧血:赤血球が作れなくなり、小型の赤血球が出現するようになります。

酸素不足により頭痛、めまい、疲労感、顔色が青白くなるなどの症状が現れます。

集中力・記憶力の低下:脳への酸素供給が不十分になることで、思考力や学習能力が低下します。

美容トラブル:肌のハリが失われる、髪が細くなる、抜け毛が増える、爪が白くなる、スプーン状に反り返る(スプーン状爪)などの症状が出ることがあります。

その他の症状:むくみ、動悸、息切れ、全身の倦怠感などが現れることもあります。

鉄分を効果的に摂るポイントとしてヘム鉄と非ヘム鉄のことを知る必要があります。

動物性食品に含まれるヘム鉄は吸収率が高く、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の場合は吸収を助けるビタミンCと一緒に摂るのがおすすめです。

またカフェインの摂取に注意しましょう。

食中・食後のコーヒーやお茶は鉄の吸収を妨げる可能性があるため、貧血気味の方は控える方が良いでしょう。

鉄不足は鉄欠乏性貧血などを起こす一方で、鉄の過剰摂取は体内の鉄分が多すぎることが原因で肝臓などの臓器に沈着し、肝障害、糖尿病、関節痛といった重篤な症状を引き起こす「ヘモクロマトーシス」などを発症します。

鉄の過剰により臓器障害が起きる場合、 鉄が肝臓、心臓、膵臓などの臓器に蓄積し、炎症や細胞のダメージをひきおこします。

代表的な疾患として「遺伝性ヘモクロマトーシス」等の遺伝的要因や輸血によって鉄が過剰に蓄積する例があります。

肝炎、肝硬変の場合は鉄過剰症が起こりやすくなり、同時に炎症を促進します。

そうなると肝炎、肝硬変の進行に繋がりますので、肝障害の方は鉄の過剰摂取に注意しましょう。特に肝硬変の方は大豆の過剰摂取に注意してください。

他にも糖尿病、皮膚の黒ずみ、関節痛、心不全、肝臓がんのリスク増加など、多岐にわたる重篤な症状を引き起こします。

通常の食事での過剰摂取は稀ですが、サプリメントの過剰摂取や頻繁な輸血によって鉄過剰になる可能性があります。

鉄の過剰・不足の確認方法としてフェリチン検査があります。

鉄の貯蔵量を反映する貯蔵タンパク質であるフェリチン値を測定することで、体内の鉄の過不足をより正確に把握できます。

一般の健康診断で「血清鉄」が低値でない場合でも、フェリチン値が低いと体に蓄えられている鉄が不足している(潜在性鉄欠乏)と判断されることがあります。

ご不安な方は一度検査を検討してください。