アナトミートレインは、以前のブログにも書いたようにアメリカのトーマス・W・マイヤーズによって提唱された理論で、筋肉を包む薄い膜組織である「筋膜」が体全体でどのように連結いるかを体系化したものです。

彼は筋膜は筋肉を包むだけでなく、連続的に全身を列車のように繋いでおり、筋膜のつながりに沿って身体の動きや姿勢が保たれていると考えました。

これを列車になぞらえて「トレインライン」と呼び、アナトミートレインでは12本のラインが紹介されています。

これにより、体の一部の運動が連動して体全体に影響を与えるという考え方を運動学的に理論付けました。

アナトミートレインの理論を用いることで、局所的な痛みだけでなく、体全体のバランスや動きを見ながら施術を行うことが可能です。

例えばこの考え方を使うと腰の痛みが手の指先の影響を受けていたり、首の痛みが足の筋肉の問題であったり、問題の原因が離れた場所にあることがわかります。

このように痛みのある箇所だけでなく、筋肉や筋膜のバランスがどのように体全体に影響を与えるかを把握して、関連するトレインラインを調整することで、原因を広い視点で捉え、効果的かつ根本的な治療が可能です。